”ひろゆき氏”発言の「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも?」は本当か?【覚醒剤が合法な国を調査】

ファクトチェック

調査員のCrevette(くるべっと)です。

今回から始まりましたファクトチェックシリーズ。
第一回目は、ひろゆき氏がYoutuTubeで発言した

「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国も?」

を検証するため

「覚醒剤が合法な国」が無いかを調査致します。

YouTubeはこちら↓

ひろゆき氏プロフィール

YouTubeチャンネル登録者数 :約147万人

Twitterフォロワー数 :約149万人

出演 :ABEMA Prime(AbemaTV)など

2022年3月11日現在、1万人以上記載

他、2ちゃんねるを開設したことや、論破王として有名な方です。

調査の経緯

ひろゆき氏が自身のYoutube(2019年10月20日配信)
「【ひろゆき】便りがないのは元気な証拠。純米吟醸酒・伝心「雪」を呑みながら 2019/10/20 D22」にて

「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも?」

※YouTubeリンク先:https://www.youtube.com/watch?v=cwN0Ftji8JE&list=PLO33ch-KjArqc2TxWolVVG9dvGVXGUlS2&index=202&ab_channel=%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%82%86%E3%81%8D%2Chiroyuki

と発言。これについてファクトチェックを行います。

ひろゆき氏の動画の特徴

時間  :1時間30分程度~2時間以上

形式  :ライブ形式

内容  :視聴者のチャットにて短いもので一言二言で回答
質問も短く説明不十分なものが存在

流れ  :チャット内容はひろゆき氏の話の順番と関係なく
ばらばらで話の内容と関係ない物も多く存在

ひろゆき氏は酒を飲みながらライブしているので質問の回答が正しいか自分で調べて欲しいと言う内容で注意喚起していることがあります。

ひろゆき氏が質問の意図を読み違える可能性有

動画の流れ

今回のひろゆき氏の動画での発言の流れを記載致します。質問者(A氏)はチャット(チャット通りに記載)、ひろゆき氏は言葉で回答しているので長いものは要約しています。
A氏質問①

大麻合法国で国籍をとり和菓子のエディブルをうるという事業は成功すると思いますか?

 

ひろゆき氏回答①

国籍とならくて良い。日本に帰って来なければ良い。海外で大麻やって日本で逮捕された人はいない。裁判で海外で吸った証拠を証拠として提出できないから(要約)。

・・・・・・この間、別の話を約4分半・・・・・・・

A氏質問②

覚醒剤は?

 

ひろゆき氏回答②

覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも?

A氏質問③

 

いや海外で覚醒剤使用して日本で起訴されたらの話

ひろゆき氏回答③

 

・・・・・・・・・・(スルー?)

上記流れの通りですが、ひろゆき氏の回答②「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも? 」はA氏の質問①に対してでしたが、質問者の意思はひろゆき氏の回答①に対するものでした。

※チャットは時間が不明なのでZZで記載

ひろゆき氏の勘違いはありましたが

「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも?」
が切り抜かれ独り歩きしても内容的には問題ないと判断

合法・違法について

アルコール(酒)は合法?違法?

合法・違法についてアルコール(酒)を例に挙げて説明致します。

日本は、満20歳以上の自宅での飲酒は合法ですが、米国ニューヨーク州では満21歳以上が合法です。メリーゴーランド州は成人の親と一緒であれば何歳でも合法です。ただし、米国は日本より飲酒に関しては厳しい規制がある為、大半の州では公共の場では飲酒ができません(米国は州によって異なります。)。日本の様に公園で酒を飲みながらお花見はできないわけです。

 

上の図の通り、国によって合法の条件が違うので「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも?」は少し言葉足らずだと思います。

ただ、合法・違法の話をする時にいちいち年齢や場所を付け加えて話す人はいないと思いますのでこの発言は日本のアルコールの合法度合と同等の事を言っていると判断致します。

今回の調査は

覚醒剤が日本のアルコール(酒)と同等レベルで合法の国を調査(都度判断)

致します。

合法の判定

世界の多くの国では麻薬の所持は違法でも使用(消費)の規制が無い国が多い現状があります。日本では大麻の所持の規制はありますが使用の規制はありません。

これは、使用しても罪にならないという意味ではないのでご注意ください。使用には所持が伴う為です。

この現状を考えて

所持と使用(消費)の何れも規制が無い(アルコールレベルの規制は合法)場合に合法と判定

致します。

薬物の歴史

コーヒー禁止令(1511年)

メッカ(現在のサウジアラビア)でカイル・ベイ総督によりコーヒーの販売・引用が禁止されました。ただし、コーヒー好きのエジプト君主カーンサウフにより直ちに撤回されました。

この時、違反者はロバにて町中を引きずられたりし、厳しく罰せられました。また、禁止令撤回に伴いカイル・ベイ総督も厳しく罰せられました。

 

禁酒法(1920~1933年)

米国及びその管理権に服する領土で飲用目的の酩酊性飲料(Intoxicating Liquor)を製造・販売・運搬・輸入が禁止されました。

ただし、購入と飲用は禁止されておらず、国境を越えてカナダやメキシコにて飲酒されました。

近年起きた、世界的感染症での緊急事態宣言時に飲食店での酒の提供が制限された時も県をまたいだり越境飲みがありました。100年以上たった現在も人間の考え方は変わりませんね。

また、酊性飲料(Intoxicating Liquor)が規制の対象だった為、アルコール度数が低い酒ならば酔わないから大丈夫じゃないか?という人もいたようです。
※現在のアルコールの規制はアルコール飲料(Alcoholic Liquorという表記が多いと思います。

現在は多くの国が合法でも過去に禁止されていたものがある

 

覚醒剤とは?

覚醒剤取締法

そもそも覚醒剤とは何か?日本の「覚醒剤取締法」を参考に致します。

第二条 この法律で「覚醒剤」とは、次に掲げる物をいう。
一 フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
二 前号に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であつて政令で指定するもの
三 前二号に掲げる物のいずれかを含有する物

出典:e-Gov法令検索 ( https://elaws.e-gov.go.jp/)「覚醒剤取締法」 (e-Gov)(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0100000252)をもとにSHR Fusion作成

※2022年1月20日現在の法規
※ここで言う塩類とは「フエニルアミノプロパン」や「フエニルメチルアミノプロパン」と酸が結合してできたものです。

上記の通りですが一般的に

「フエニルアミノプロパン」は「アンフェタミン」

「フエニルメチルアミノプロパン」は「メタンフェタミン」

と言います。

ちなみに日本で違法に流通しているものは主に「メタンフェタミン」です。

ということで、

「アンフェタミン」及び「メタンフェタミン」が合法な国を調査
致します。

日本の覚醒剤乱用の歴史

1942年頃~1945年
第二次世界大戦でメタンフェタミン系覚醒剤「ヒロポン錠剤」が戦力増強剤として夜間の自動車運転などで用いられました。ちなみに「ヒロポン錠剤」は1941年から大日本製薬(現・大日本住友製薬)にて製造されております。

1946年秋
終戦後に軍部からの放出品や複数社から元気回復剤として市販されたものが乱用され覚醒剤依存が報告されました。漫画「サザエさん」でも薬局でヒロポンを購入するシーンが描かれていました。

1948年7月
劇薬に指定され販売・広告,製造が制限される。

19516
覚せい剤取締法公布。ここでは、覚醒剤の「醒」の漢字はひらがなですがこの頃は「醒」が常用漢字ではなかった為、ひらがなでした。2010年に常用漢字となり、2020年に法改正され漢字になりました。

1954年5月
精神障害者20万人、乱用中の者55万人使用経験者200万人と推定される。

1954年6月
取締法強化。この頃から敗戦の影響も軽減し経済の回復もされていたことにより、この年をピークに乱用が次第に減少していきました。

日本で覚醒剤が合法な時代があった

 

現在の覚醒剤の使用状況

日本の状況

覚醒剤取締法 第十九条

現在の日本の覚醒剤の使用状況を「覚醒剤取締法」の第十九条より考えてみます。

(使用の禁止)
第十九条 次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
一 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
二 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
三 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
四 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
五 法令に基づいてする行為につき使用する場合

出典:e-Gov法令検索 ( https://elaws.e-gov.go.jp/
「覚醒剤取締法」 (e-Gov)(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0100000252)をもとにSHR Fusion作成
※2022年1月20日現在の法規

「四」 の内容から一般の人に適用されることを考えると、医師から交付された処方箋があれば使用可能ということになります。

日本ではナルコレプシー(いわゆる居眠り病)という日中に場所や状況問わず強い眠気に襲われる病気で処方される「ヒロポン」がこれに該当します。

医師から交付された処方箋にて「ヒロポン」は合法的に使用可能
特例
2021年の東京オリンピック及びパラリンピックにて特例で覚醒剤を含む処方薬が使用可能になりました。
2021528
同年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに参加予定の海外選手からADHD(注意欠陥多動性障害)の治療で覚醒剤成分が含まれた薬の持ち込みや使用を認める要求があり法案が国会へ提出されました。注意欠陥多動性障害とは注意欠陥と多動性障害の二つの症状が合わさったもので、前者は集中力が持続しなく物忘れが多いなどの症状で後者はじっとしていられなく落ち着きがないなどの症状です。

2021616
「令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法」の一部が改正される(公布&施行) 。

当然、この特例はオリ・パラ開催期間限定の為、オリンピック選手は同年8月31日。パラリンピックの選手は9月30日までの期日となっております。

特例で覚醒剤成分を含む処方薬がオリ・パラ海外選手に使用可能となった
※ひろゆき氏の発言の後なので参考と致します。

海外の状況

米国の状況

先ほどの、ADHDの治療薬は「Adderall(アデロール)」という物になります。この治療薬について説明致します。

1996年にADHDとナルコレプシーの治療薬でFDA(米国食品医薬品局)が承認。元は「Obetrol」という名前で1960年に食欲を減らす薬として承認されました。

「アンフェタミン」を含む為、米国の規制物質法のスケジュールⅡに分類され医師の処方箋がないと入手できませんが専門家や学生がより仕事や勉強で成果を出す為に処方箋なしで入手している現状があります。
※2022年1月25日現在の法規

当然、合法的に入手しても他の人に売却したり譲ることは違法です。

米国は競争社会のため集中力UPの目的で乱用されております。乱用すると睡眠障害を起こす為、合わせて睡眠薬も乱用されます。このようにして依存症が生まれます。

 

米国で「Adderall」は医師の処方箋を元に使用可能
ポルトガルの状況
いきなりですがポルトガルの状況です。

2001
麻薬の取得、所持、消費が犯罪とみなされなくなりました。行為としては違法のままですが刑事訴追の対象ではなくなりました(非刑罰化の条件有)。

ただし、薬毎に上限値の規定があります。「アンフェタミン」であれば10日間の平均使用量が1g以上かどうかを元に状況に応じた薬物離脱のプログラムを受けることで非刑罰化となります。

無条件で非刑罰となるわけではなく裁判所がいろいろアセスメントして判断いたします。プログラム中にやる気がなかったり効果が期待できない場合は実刑となります。

ざっくり言いますと中毒者かそうでないかの判断がおこなわれるようです。中毒者でない場合は刑罰を受けませんが罰金や職業停止などのペナルティを受ける場合があります。

実際はかなり複雑な条件がありますので詳細を知りたい方は、下記のリンク先をご確認下さい。ポルトガルの保健省からの引用です(ポルトガル語です。)。

O consumo foi descriminalizado, mas não despenalizado.
Desde novembro de 2001 que a aquisição, a posse e o consumo de drogas deixou de ser considerado crime em Portugal. O consumo foi descriminalizado, mas não despenalizado. Consumir substâncias psicoativas ilícitas, continua a ser um ato punível por lei, contudo deixou de ser um comportamento alvo de processo crime (e como tal tratado nos tribunais) e passou a constituir uma contraordenação social.

引用:SICAD DESCRIMINALIZAÇÃO DO CONSUMO(https://www.sicad.pt/PT/Cidadao/DesConsumo/Paginas/default.aspx

ポルトガルではどうせ違法薬物の乱用が減らないならば非刑罰化して、今までかかった予算を薬物依存からの離脱に使った方が良いという考えを採用し、その結果もでております。

覚醒剤の消費は違法ではありますが消費者を犯罪者とみなさない事で社会復帰も容易になるだろうという考えがあります。

これを一部の媒体ではポルトガルは違法薬物を合法化したというような記載がありますが違法であることはには変わりがないので条件付き非刑罰化が妥当な表現だと思われます。

ポルトガルでは覚醒剤の所持及び消費は条件付き非刑罰化されている(合法とはいえない)
HARM REDUCTION(ハーム・リダクション)

先ほどのポルトガルの考え方は、「HARM REDUCTION(ハーム・リダクション)」と言います。直訳すると害を軽減するという意味になります。

「HARM REDUCTION INTERNATIONAL」 という機関で複数言語の説明がありましたのでその一部を引用致しますが、話が少しそれてしまいますので説明は省略致します。興味ありましたらリンク先よりご確認下さい。

ダメージを最大化する政策や実践との対峙
個人の行動や選択、ドラッグを使用する環境、薬物対策のための法律や政策など、ドラッグに 関連するリスクやダメージは多くの要素から成り立つ。多くの政策や実践は意図的に、あるい は意図せずしてドラッグを使用する人に対するリスクやダメージを生み出し、増悪させている。 そのなかには、ドラッグ使用の犯罪化、差別、警察の虐待的・腐敗的な取り締まり、拘束的・ 懲罰的な法律や政策、救命医療やハームリダクションサービスへの拒絶、社会的不平等などが 含まれる。ハームリダクションの政策や実践は、個人の行動変容をサポートするものでなけれ ばならない。しかしながら、同時に、リスクの高いドラッグ使用が行われるような環境や、ド ラッグに関連したダメージをもたらすような国際的な、あるいは自国内の法律や政策に異議を 唱えることも必須である。

※引用:HARM REDUCTION INTERNATIONAL What is Harm Reduction? Japanese より(原文は日本語:複数言語の資料有)(https://www.hri.global/files/2016/04/06/What_Is_Harm_Reduction_JP_2015.pdf

これは、ポルトガルの他、米国オレゴン州,オランダなどでも採用されております。
※2022年1月27日現在の法規

一部の国,州などで覚醒剤の所持(又は使用)が条件付きで非犯罪化されている(合法とは言えない)

国際的な麻薬の取扱い

この調子で、全世界の状況を確認することはできない為、麻薬の国際的な取扱いについて調査しました。

麻薬および向精神薬の違法取引に対する国連条約

「麻薬および向精神薬の違法取引に対する国連条約」(1990年11月11日発効)というものがあります。

第九条には、付表Ⅱから付表Ⅳまでに掲げる物質については処方せんによってのみ個人の使用のために供給され又は調剤されることを義務付ける。

とあります。「アンフェタミン」と「メタンフェタミン」は付表Ⅱに記載されております。

第二十二条には違反者には処罰すべき犯罪として取り扱うものとすると記載があります。

この内容より、この条約の締約国は少なくとも覚醒剤は合法ではないと考えられます。

第九条 処方せん
1 締約国は、付表Ⅱから付表Ⅳまでに掲げる物質については処方せんによってのみ個人の使用のために供給され又は調剤されることを義務付ける。ただし、個人が正当に認められて行う治療又は学術研究において当該物質を合法的に取得し、使用し、調剤し又は施用する場合は、この限りでない。

第二十二条 刑罰規定

(a) 締約国は、自国の憲法上の制限に従うことを条件として、この条約に定める義務の履行のために定められた法令に違反するいかなる行為も、これが故意に行われた場合には、処罰すべき犯罪として取り扱うものとし、また、重大な犯罪に対しては相当な処罰を、特に拘禁刑その他の自由を剥はく奪する刑を科することを確保する。

引用:厚生労働省 向精神薬に関する条約(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=97136000&dataType=0&pageNo=1

「麻薬および向精神薬の違法取引に対する国連条約」の締約国は覚醒剤は合法ではないと考えられる
※処方薬は除く
「締約国」とは条約に拘束されることに同意した国のことを言います。
下記の資料の「署名」以外の状態が「締約国」になります。ただし、条約によって異なりますのでご注意ください。

国連加盟国186/193ヵ国、未加入国4ヵ国の合計190ヵ国が同意表明(締約国)
参考までに、締約国一覧です。

麻薬および向精神薬の違法取引に対する国連条約の未締約国の状況
国連加盟国の「麻薬および向精神薬の違法取引に対する国連条約」の未締約国について調査致します。
7ヵ国中、4ヵ国(赤道ギニア,キリバス,ソマリア,南スーダン)が「アフリカ連合」に加盟しているのでアフリカ連合での薬物に関する取り決めを確認致します。

医療用品規制に関するアフリカ連合のモデル法

「医療用品規制に関するアフリカ連合のモデル法」(2016年1月アフリカ連合首脳会議で承認)と言う物があります。以降、「AUモデル法」とします。

これは、「アフリカ連合」の加盟国の多くが違法薬物の乱用が問題となっており「AUモデル法」に沿って今後、国内法を作っていこうという考えでできたものです。

前文の最初と最後だけ引用します。

前文

我々アフリカ連合の加盟国は、  ・・・省略・・・

アフリカにおける医療用品規制に関するモデル法の採用及び国内法化がアフリカ大陸で 調和した規制環境を創るために不可欠であることを確信し、

以下の医療用品規制に関するアフリカ連合のモデル法を採択することに合意した。

引用:国際医療協力局 医療用品規制に関するアフリカ連合のモデル法 (AU モデル法)の紹介 日本語版(http://kyokuhp.ncgm.go.jp/library/regulation/AUmodellaw_J.pdf) ※現在リンク切れ
アーカイブ(https://web.archive.org/web/20220327005332/http://kyokuhp.ncgm.go.jp/library/regulation/AUmodellaw_J.pdf

上記の通りですが、この内容より「アフリカ連合」の加盟国は「AUモデル法」の内容を理解し合意していることがわかります。

また、第21条には「AUモデル法」の取締措置の対象は、先ほど説明した麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に 関する国連条約」に従っていることの記載があります。

21 条:医療用品の目録化、分類及び取締り
2) 医療用品の管理は、次のとおり、機関/当局が割り当てるところにより、薬物の目録上の位置づけに基づく
d) 目録上、許可を受けた処方者の処方箋が必要で、薬剤師又は免許を受けた投与者が投与する薬物であって、1961 年の麻薬に関する単一条約、1971 年の 向精神薬に関する条約及び 1988 年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に 関する国連条約に従って規定された取締措置の対象であるもの

引用:国際医療協力局 医療用品規制に関するアフリカ連合のモデル法 (AU モデル法)の紹介 日本語版(http://kyokuhp.ncgm.go.jp/library/regulation/AUmodellaw_J.pdf) ※現在リンク切れ
アーカイブ(https://web.archive.org/web/20220327005332/http://kyokuhp.ncgm.go.jp/library/regulation/AUmodellaw_J.pdf

ただし、先ほど記載した4ヵ国は2018年10月時点で国内法の整備が完了しておりませんでしたがその意思はあると判断して(ある程度は整備されているのでは?)残りの、ソロモン諸島,パプア・ニューギニア,ツバルに絞って調査致します。

 

薬物関連犯罪の状況

海外安全保障諮問委員会(OSAC)にて犯罪・安全報告書という物を出していますのでそれの2019年版を参考に致します。罰則に関して記載しておりますが、この資料に記載されているかどうかを書いております。「記載なし」=「罰則が無い」と断言はできません。

ソロモン諸島
麻薬所持法を厳格に施行。違法薬物の任意の量の所持の罰則の記載あり。

パプア・ニューギニア
薬物関連犯罪数は増加中。合成医薬品の現地製造と使用に対する懸念が高まる。罰則の記載なし。

ツバル
薬物関連の犯罪の報告はなし。任意の量の所持に対する罰則の記載あり。

この内容を見ると、「パプア・ニューギニア」が薬物犯罪に関して一番問題がありそうです。また、この国は先住民族が多く、約839の言語があり、島も600以上あるので統一管理が難しそうなのでまずは「パプアニューギニア」を調査致します。

パプア・ニューギニアに絞って調査
パプア・ニューギニアの状況
「パプア・ニューギニア」の薬物に関する法律を調査致しました。

1952年

危険薬物法(Dangerous Drugs Act 1952)※1
危険薬物のリストに「アンフェタミン」の記載はあるが「メタンフェタミン」の記載がない

2021年
規制物質法案(Controlled Substance Bill 2021)可決※2

※1 参考:PACIFIC ISLANDS Legal Information INSTITUTE Papua New Guinea Consolidated Legislation Dangerous Drugs Act 1952(http://www.paclii.org/pg/legis/consol_act/dda1952180/
※2 参考:Australian National University The Need for Law Reform in Papua New Guinea: Part 2 — Updating Drug Laws
https://openresearch-repository.anu.edu.au/bitstream/1885/258993/4/The%20Need%20for%20Law%20Reform%20in%20Papua%20New%20Guinea%20-%20Part%202%20-%20Updating%20Drug%20Laws_Glen%20Mola%20Pumuye_Jennivive%20Kuman_In%20Brief%202022%2003_Department%20of%20Pacific%20Affairs.pdf

1952年には「危険薬物法」という法律がありましたが「メタンフェタミン」の規制がありませんでした。その為、「メタンフェタミン」のラボ(オーストラリア人がホテルの部屋で「メタンフェタミン」を製造)が発見された時に、このオーストラリア人を起訴でず、法律の更新を求める声が高まり2021年12月に新しい法案が可決して「メタンフェタミン」や他、幾つかの薬物が違法となりました。

「パプア・ニューギニア」では20191020日時点では「メタンフェタミン」は合法

まとめ

ひろゆき氏発言(20191020日時点)

「覚醒剤は違法じゃないですか?どの国でも? 」の検証結果は「△」
と致しました。
理由は、下記の通りです。
①は合法の物と違法の物があるので違法であることは間違いではないと判断
②は処方薬はアルコールレベルの合法性(成人がコンビニなどで自由に購入できるなど)はないと判断
①「パプアニューギニア」
「メタンフェタミン」は合法
「アンフェタミン」は違法
②処方薬
アンフェタミン」・「メタンフェタミン」共に合法処方薬有(日本,米国など複数)
アルコール(酒)レベルの合法ではない(コンビニなどで自由に購入できない)

否定的コメント予測

残りソロモン諸島・ツバルを調査すれば合法あるのでは?

国連加盟国以外も含めて、調査すればある可能性はあります。今後、調査し報告するかもしれません。

 

ネタが古い

法律はいつ改正があるかわからないので発信時は新しくてもこの記事をいつ見るかで間違った知識となる可能性があります。その為、いつ時点の情報なのか明記しております。

最後に・・・

今回の調査での感想です。

最初は、ネットで「覚醒剤」「合法」などのキーワードで調査しましたが的確な回答はみつかりませんでした。そこで、薬物に関する法律が無い国を探すことにして国連に未加入の小国を中心に調査致しましたが法律が実際に無いのか?あるけれど発見できないのか?が判断ができずに断念しました。

そこで、国連加盟国に絞って調査することにしました。ただし、国連加盟国であればおそらく覚醒剤は違法だろうと思い(ひろゆき氏も多分同じ様に考えたのだと思います。)、最悪ヒロポンなどの処方薬のみ記載しようと思いましたが運良く「パプア・ニューギニア」が「メタンフェタミン」が合法だった為、それなりの結果になりほっとしました。
ちなみに最初に「ソマリア」という国にある小国の調査をしておりました。長い期間、内戦をしていたことにより独立宣言をしている国が複数あった為です。また、「ソマリア」自体は過去、無政府状態だったので当然、法律も機能していなかったので覚醒剤合法としたかったのですが2019年にはすでに無政府状態は終わっておりました。
そこで、他に無政府状態の国を探していましたが正確な情報がなかなかなく、また「無政府状態=覚醒剤合法」は少々ずるい考え方と思い中断しました。
そういえば、ある国際機関に少し遠回しな質問でメールを書き、半月ほど経ちましたが回答ありませんね。
「パプア・ニューギニア」(現在は、「メタンフェタミン」も違法なので)以外に、覚醒剤合法な国の情報がありましたらコメント欄に記入頂けるとありがたいです。
以上です。

コメント